今日は膜分離活性汚泥法を用いた浄化槽の現場で差圧が下がらないというトラブル発生。M次長の要請で現場へ緊急出動した。午後から聴く予定だった第6次総量規制の説明会はM主任にお願いした。
現場へ行く途中、膜洗浄用の次亜(次亜塩素酸ソーダの略)を化学薬品卸しの会社から調達して積み込んだ。現場では既にメンテのM部長(さっきからイニシャルMばっかだなw)が待機しており、状況を教えてもらった。先々週に洗浄したばかりなのに、もう差圧が上昇してしまったとのこと。チェッカープレートを開けると、まるで溶岩のようなクリーミーな汚泥がばっ気で大きくボコッボコッと泡立っていた。M部長の説明では携帯型MLSS計では17,000ppmとのことだったが、自分の経験に照らし合わして、この汚泥の外観、ばっ気の状況を見る限り、濃度は25,000ppmはいっていると感じた。濃度が高すぎるからすぐに差圧が上昇するのではないか。とにかく洗浄である。
段取りは、まず水洗浄を試し、30分ほど運転をして差圧の変化を見、ダメなら次亜を注入して2時間薬液に浸漬し、それから吸引をかけて差圧の変化を見る。それでもダメなら汚泥の一部を戻す。その間、流入汚水は暗くなるのを待って十分固液分離した後、上澄水を第三の調整槽へ移すw。
いつもタンクに水道水を貯めてから注入していると言っていたが、作業短縮のため処理水を使用してみてはどうかということになり、やってみた。もちろん、処理水槽に雑多なゴミが混入していないことを確認し、沈降したSSを巻き上げないよう注意を払った上で、上澄水を水中ポンプで汲み上げて直接洗浄管に注ぎ込んでみた。結果は上々。今後処理水槽の水を使って洗浄することを、メーカーに確認した上で会社に提案してみようと思う。肝心の差圧だが、やはり30分程運転していたら元に戻ってしまったので、次亜での洗浄作業に移った。次亜は12%のものを20倍希釈して0.6%にして注入する。これでも十分に濃い。手がカルキ臭くなる。こちらは小型の清水用水中ポンプを用いて注入。注入後は2時間、膜洗浄に関しては何もすることは無い。しばらくしてM次長も現場から駆けつけて来たので状況を説明し、第三の調整槽への移送作業も行いながら今後の対処を話し合った。M次長が持ってきた最新の簡易MLSS計で測ったところ、予想通り25,000ppm超の高濃度であったので、第二調整槽を空にしてそこへ汚泥を一時貯留することとなった。次亜の効果はあり、差圧は設定値以下に下がったので、次いで膜分離槽の汚泥を半分以上第二調整槽へ移した。その後汚水を移送させて濃度をあたったところ、10,000ppm前後まで下がっていた。計算どおりである。気が付くと既に夜9時になろうとしていた。不本意であるが、私はこういう現場作業が嫌いではない。現場のトラブルから設計・開発にフィードバックできることはたくさんある。大変参考になる。応援に来てもらったほうも心が楽になるとM部長も言っていた。こういうのも開発業務としてはいいかもしれない。