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謙遜とも牽制とも、卑屈とも受け取れるような態度で人に接するのって、いざ自分がやられてみると結構腹が立つことがわかった。社外での駆け引きみたいなものでそういうやりとりなら別にいいのだが、社内の人間関係でそれをされるとどうリアクションをとったものか困る。今のところは相手を刺激してしまうようなことはしていないようだが、やってることと言えば愛想笑いと「そんなことないですよー」と曖昧な笑みを浮かべるくらいか。これは正直疲れるし、一度くらい毒をこめたことを言ってやりたいという衝動に駆られる。
個人的には会社に入って3年もすれば、学歴とは関係なしに、本当のその人の実力が仕事振りに出てくるもんだと思っているので、高卒だとか短大・専門学校卒、大卒、院卒なんてことはほとんど気にせずに仕事をしてきた。社内で説明をする立場になることが多いから、誰が聞いても誤解の無い説明をということで中学生に専門的なことを説明するくらいのつもりで資料を作ったりもした。また、それでも分からないという指摘に対しても謙虚に受け止め、自分の説明を見直し、意見をもらいながらやっていた。現場の人の意見を重視し、現場の人がやりやすいように常に気をつけてきたつもりだった。おかげで、比較的年の近い人とは普通に接しているのだが、どうも40代以上の人というのは学歴を気にする傾向があり、ことあるごとに「私は君のように頭がよくないから分からない」だとか「馬鹿にも分かるように説明してくれ」という言い方で、なんというか上手く表現できないが、卑屈な接し方をされるのである。たいていは相手のほうが役職は上だから普通に接してくれればいいのだが、話が分からなかったときの言い訳をあらかじめしているように聞こえる。お前の説明は分からん!とビシっと言ってくれればこちらもあの手この手を考えるのだが、妙に卑屈な態度を取られ、分かったんだか分からなかったんだかはっきりしないまま説明を終えて結局失敗して、さらに卑屈な態度になるのが困る。
私自身、客先等で自分より頭のよさそうな人と話をするときはつい卑屈な態度をとってしまいがちだが、大抵そういうときは相手も嫌味な態度を取ることが多い。なんでかなとは思っていたが、自分がされてみてよくわかった。はっきり言って卑屈な態度や変にへりくだった態度は鬱陶しい。分からないなら分からないで素直に「分かりません。どういう意味ですか」と聞かれたほうがスムーズに話ができる。仕事でも、疑問点を可能な限り消去できるので大変有効である。謙虚と卑屈は違う。今後、卑屈な態度は改めたい。