R君の進路
最近、障害児学級の先生と、私らの間に認識のズレが出始めてきた。先生は、R君が交流先で落ち着いていられることを根拠に来年からの通常学級在籍を勧めてくるのだが、私らは授業についていけるのかどうか疑問があり慎重になっているのだ。というのも、私らは交流先でのR君の様子について情報が全くなく、先生もほとんど把握していないからだ。学校の先生以外にも外部のカウンセラーや特殊教育の先生にも相談しているが、どの先生も猛反対している。理由は、障害児学級では勉強しなくても良い状況になっているが、通常学級に行くと勉強することが大前提になっており、それに対しR君は通常学級を受けるために必要なスキル、例えば黒板の内容をノートに写すなどといった当たり前のことを全く身に付けていないからだ。その点で外部の先生は、障害児学級の先生のやり方を厳しく批判していた。
現状、R君の置かれた状況は、当初私らが期待していた状況とはかけ離れてきている。通常学級への交流時間は2年生の時よりも増えたが、行った先でちゃんと勉強できているのかというと、(障害児だからということか)善意で放って置かれているようなのである。国語と社会では何とかついていけているようだが、算数では全く駄目なようだ。全く分からない授業を延々と聞き続けるのは苦痛ではないか?心の成長と共に劣等感を抱かないか、不安要素はたくさんある。外部の先生の意見でも、それは今の状況で通常学級へ移るのは、例えるなら全く英語が分からない子が1日中英語の授業に出るようなものだと言っていた。私もその通りだと思う。せめて、今の障害児学級で、交流学級で授業を受けるための最低限のスキルを身に付けさせてくれればいいのだが、生憎他の発達障害児童はそのレベルにいないので、出来ない相談らしい。今に至ってようやく、R君のような知能は普通並で若干の学習障害を持っている発達障害児が一番扱いが難しいということを思い知らされた。決断を下すのは11月だが、それまでに何とか必要なスキルを身に付けさせることを試す必要がある。結局、最初も最後も、家庭で何とかしなければならないのか。