年賀状を整理していた。多くは印刷そのままの手書き箇所一切なしの味気ないものばかりだったが、それだからこそ肉筆で近況を知らせてくれている年賀状は嬉しいし、読んでいて楽しい。今年はその中で一際目を引いたのが高校の同窓であるY氏の賀状だ。
シンプルに「6月×日の予定を空けておいて下さい」。
初めはなんのことかと思ったが、間違いなく結婚式だろう。本人にメールで尋ねた所、「とうとう年貢の納め時と言うか取り立てを受けたよw」だった。意外だった。
Y氏は早稲田大卒で情報処理関係の大学院にも進み、大手製造業のSE責任者をやっている。体格は大学でカッター部に入っていたのでラガーマン並みにがっしりしており、それでいて顔は穏やかな優しそうな顔をしている好青年だ。実際、普通に話している分にはとても紳士的だし、気配りも繊細である。そんな彼だが、女性に全く縁が無かった。というより付き合おうとしなかった。はじめの内こそ彼のロリータ趣味や、部屋に散乱するエロゲの山が示すような趣味のせいで女性に興味を示さないのかと思っていたが、長い付き合いのうちに少しずつ彼の家庭の事情を知るにつれ、そんなありきたりの理由じゃないことを知った。詳しい話は省くが、父親と長年に渡りいがみ合っていたこと、その父親が亡くなった時に遺産相続問題で親戚とも不和があり、それに嫌気が差して全て母親と妹に押し付けて家を出たこと、以来全く実家に帰っていないとのことだった。他人の家族に対しては非常に細やかに気を使うが、自分の家族の話になると殺意を抱いているのではないかと言うくらいの迫力で、いかに嫌悪しているのかを話すのだ。そしていつも「俺は自分の家族を憎んでいる。だから俺自身は絶対に家族を作らない。あんな地獄はもう作りたくない」と言うのだった。
そんな彼が結婚だというのである。見合いなのか恋愛なのかも聞いていないが、これまでの経緯から見合いは有り得ないので、信じ難いが恋愛なのではないか(失礼!)。よほど心の広い女性か、彼の価値観を変えてしまうほどの女神様のような女性に違いない。或いは、モロに彼の趣味(ロリ)にドンピシャの女性だったか。6月が非常に楽しみになってきたw。
しかし、それにしてもだ。結婚したら、いや結婚前に何とかするべきだが、あの膨大な量のエロゲの山と、彼の趣味モロだしの雑誌コミック単行本の山はどうするのかな?そこんとこが、非常に興味深いw