社長面接を終えて

社長の言葉を悪く受け止めるのとよき言葉と受け止めるとのブレを繰り返しつつ、同僚にも毒を吐き、ようやく落ち着いてから自分を振り返る。
社長の物言いは、言葉の綾もあり、そのひとつひとつをいちいち噛み付くのは大して重要ではない。
社長は常々プロセスを重視する。これは結果が伴わなくともプロセスが重要という意味ではなく、結果を出すためのプロセスを常日頃から意識して心がけよという意味だ。イチロー選手を例えに、毎日の厳しい修練のことを差している。基本を忠実に続けることはかなりしんどいが、それを維持することが結果に繋がると例えられる。
このことは一時が万事とも例えられる。常日頃努力していれば、普段の何気ない所作にもそれは現れるが、やっていない者の所作など、一時を見ればすべて見透かせるものである。
で。
今回厳しく叱責を受けたのは、面談での私の弛みきった言動にある。自分としては本意ではなかったのだが、今振り返れば言葉の端々に弛んだ言動が出ていた。緊張感のかけらも無い発言内容であった。社長の言われるとおり、身の程をわきまえない言動であった。
なぜ弛んでいたか。私とて、意識して弛んでいたつもりはないが、常に緊張を強いられていた営業職から開放されたときに、気も緩みきってしまったようだ。それで、あのような発言をしてしまった。振り返ると恥ずかしくて顔から火が出そうだ。今一度気を引き締めなおそう。自分は設計については半端者だ。一刻も早く、一人前以上に稼ぎ、いずれは設計を統括できる能力を身に着けなければならない。会社はそれを期待して私を設計に異動させたのだ。
仕事の心構えについて基本に立ち直らねばならない。サラリーマンたるもの、己の経費以上の稼ぎを出さなければならない。私の場合は最低でも2000万円は稼がねばなるまい。そのくらいのつもりで毎日の仕事を真剣に取り組むべきだった。これからはそうする。
仕事も何でも引き受ける。好き嫌いをした覚えはないとは社長に口応えしたが、冷静に考えると結構逃げている。設計外の仕事はノータッチだし、金勘定の仕事も女の子にまかせっきりで自分で把握しようとしなかった。明日からは積極的に知ろうとしよう。設計に関して、自分に分からないことなどあってはならない。しらみつぶしに知ろうとしよう。
これらの行動を維持する方法を思いついた。ヒントは面談最後の社長の言葉にある。「私は常に見ているからな」
毎日社長に見られていると意識するのだ。斜め後ろに社長の気配を意識しながら行動しよう。自ずとよく考え、自制自立した行動をとる事になるだろう。また、私の部分についてもこの手は使える。腹が減って、余計に食べたくなったり、間食をしたくなったら、社長の顔を思い浮かべよう。そして社長に嘲笑の顔をさせ、「バキューム」って言わせよう。ほーら、もう食欲が失せる。食べたくなくなる。少々の空腹も我慢できる。社長を私のブレーキとして大いに利用させてもらおう。

営業の時ほどの緊張感は健康を害するが、設計なりの緊張感、特に自分の日々の稼ぎを意識した行動を心がけ、部署としての売り上げ達成と、自分の稼ぎの達成に邁進しよう。
そのためには積極的に仕事をもらおう。苦手な分野をしらみつぶしに勉強し、弱点を克服しよう。
さぁ。急がしいいぞ。勉強しながら仕事、仕事しながら勉強をしていこう!