褌一丁

朝から天気は穏やか。暖かくなりそうであり、今日の祭りはうまくいきそうな気がしてきた。
朝9時半に国府宮駅に集合し、国府宮神社に参拝。参道には様々な地域から屋台が出ており、もうお祭りのムードが盛り上がっている。参拝後にタクシーでS部長宅に集合。S部長宅は立派な農家であった。到着早々に儺追笹に付ける儺追キレに願い事を書き込み、笹に付ける。その後昼食を頂き、簡単に入浴後水を浴びて身を清め、S部長に褌を締めていただき準備完了。尻が丸出しなのは恥ずかしいが、なんだか気持ちが引き締まり、意外に悪くない。

記念写真を撮影後、近くの神社に集落の人たちが集合しているというので向かった。
神社には既に大勢の人が集まっており、若者から還暦を迎えた人まで様々な裸男がいた。中にはまだ就学前くらいの小さい子達まで裸男になっていたのが微笑ましい。人数が揃ったところで、各家々から持ち込まれた儺追笹を束ね、「わっしょい!わっしょい!」の勇ましいかけ声と共に荒縄で巻いていき、最後にさらしで巻いた後でその神社に一旦奉納。そうしてから儺追笹を国府宮神社(尾張大國霊神社)に奉納する長い行進に出発した。
途中、3つの集落の儺追笹をさらに太く1本にまとめたが、その後は参加者の半数以上でそれを持ってかけ声勇ましく練り歩いた。何となく部外者のはずのうちの会社の社員の方が積極的に参加して大声を出していたような気がする。要所要所で酒が振る舞われ、景気づけに酒を浴びせかけられながらも儺追笹を上下に担ぎ上げたり、曲がり角ではぐるっと開店させたり、信号待ちでは左右に振れてみせたりしながら大いに盛り上がった。知らず知らず、私も喉も枯れんばかりに大声を出して参加していた。とても気持ちが良かった。
踏切を渡り、参道にさしかかるとテンションは一層上がり、左右の練り歩き、その場での回転に加え、儺追笹の立ち上げまでやった。沿道の人たちが裸男に触って厄を落とそうと手を伸ばすので、それに応えて逆にこちらからも手を伸ばして厄を受け取ったりもした。老若男女を問わず、皆が我も我もと手を伸ばしてくる様は圧巻だった。クライマックスは、山門の前で笹を立ち上げ、その後境内を駆け抜けて宮司たちの待つ本宮に儺追笹を投げ込んで奉納。大歓声を上げてS部長の集落の奉納は終わった。
奉納後は山門前で神男登場を待ちながら、他の地域の儺追笹を眺めていたが、儺追笹の立ち上げ時によじ登る裸男がいたり、地域によっては凝った幟を付けていたりなど、待ってる間も飽きさせないおもしろさがあった。