親として

嫁は、R君のことに関してクラスメイトの親からよく羨ましがられるらしい。どうして公文ができるの?どうして学校できちんとしていられるの?などなど。
どうもR君は出来る子だから、と誤解をされているようなのだ。しかしR君だって初めから素直に宿題をやったり、きちんと学校生活を送れたわけじゃない。机に向かわせるところから始まり、やるべきこと、やってはいけないこと等々を根気強く教え込んできたのだ。学校の先生や、R君の祖父母などの周囲にも、障害の内容を説明して協力してもらってきたのだ。泣こうが喚こうが、頑として譲らず徹底させてきた成果なのだ。就学前に親として障害と向かい合う覚悟を決めて、少しでも普通の子についていけるよう先手先手を打っていろいろ叩き込んだ歴史があるのだ。それがあって、今のR君があるのだ。始めから出来る子と思われるのはいささか心外である。R君だって何も対策を取らずに学校任せにしていたら、今頃は勉強が全く出来ない(今だってやっと学年の最初のレベルなんだが)3年生であったろう。
他の親御さんはどうか知らないが、少なくとも私ら夫婦は、最終的にR君が独り立ちすることを目標にあれこれやらせている。いつか私ら夫婦がいなくても自分で生活していけるようにするために、心を鬼にして訓練し、叱り続けてきたのである。今でも不安は山のようにあるが、少しでもR君の独り立ちを促せればと思いながら、何を教えるべきかで頭を抱える毎日なのだ。