初めてのプレー

ゴルフ場に到着し手続きも済ませてすぐに、SN部長から打ち方のチェックをして頂いた。5発ほど打ったところで一つだけアドバイスを貰った。
「フォームは概ね悪くない。ただし、ボールは打つ瞬間までよく見ていなさい」
その通りに、打つ瞬間を見るつもりで視線をボールに落としたままアイアンを振り抜いてみた。嘘みたいに簡単にアイアンのヘッドはボールに当たり、まっすぐ飛んでいった。まぐれかと思い、もう一度打ってみたが、やはりジャストミートしてボールはまっすぐ飛んでいった。その後10球ほど打ってみたが、面白いように当たる当たる。
「止まっているボールほど、人は見ないんだよ。止まっているからこそちゃんと狙い定めて、よく見て、当たる瞬間を見届けなきゃ駄目だ」とSN部長。次はドライバーでやってみろというので、試してみると、今までまともに当てることすら困難だったのが、嘘のようにちゃんと当たり、前に飛んで行くではないか。
さっきまでSN部長の叱責にちょっとばかり凹んでいた私だが、このアドバイスの劇的な効果に気分も一新、少しは戦えるのではないかと期待が高まってしまった。
体も温まったところでプレイが始まった。私は最初のグループで専務と一緒だった。
話を端折るが結果は、ダントツのビリ。みなさんが修正前で95〜120の間であーだこーだ言ってる中、私だけが170。ハンデをつけても132。まぁ、技術のN部長なんか200を越えたらしいからそれよりはマシだろうが、お客様と一緒にコースに出るにはまだまだのレベル。練習せねば。あと、体力もつけないと。いくら走らされたとはいえ、18ホールで足腰がふらふらになるほど疲れてしまったのはちょっと情けない。自分より遙かに年上の人がけろっとしていたのだから、これはもう日頃の運動不足が悪い。
こんな最悪な成績にもかかわらず、めげずに頑張ったと言うことでクラブからの賞品、高級松阪牛の肉500gを頂いてしまった。次はちゃんとまっとうに賞を貰えるよう頑張らねば。地道にコツコツ練習しよう。SN部長も練習につきあってくれるそうなので、機会をみてお願いしよう。
結果はひどかったが、面白かった。あの上手く打てたときの爽快感が病みつきになる。