ごねる客先

客先からNET価格の問い合わせがあり、原価から計算し直して最終NETのつもりの価格を提示したら、「おまえのところの会社は担当が変わると値上がりするのか?!」と怒鳴られた。訳も分からず「そういうこともあるかと思います」と答えたら余計にヒートアップして、「この案件は既設分の取り壊しも含めてこの価格でやってもらわんといかんやろ?!」と凄まれた。しかし、その価格は営業に移って日が浅い私でも分かるくらい原価割れした価格。「その価格では難しいですね」と答えると「なんや、今までこの価格でもやったやろ?何で今になって値上がりするんや?」と抗議された。その場はとりあえず再検討するということで話を一旦切ってS部長と共に価格の見直しをした。
しかしどう絞ってもせいぜい20万くらいしか下がらず、その額は相手の言う金額には遠く及ばない。S部長曰く、「今期から客先の選別を行うと言っただろう?割の合わない客先はこちらから切るから。この最終価格で駄目なら丁重にお断りしろ」。理屈は分かるが、どう言ったものか。悩んでいると他の営業から、ここは正直に言ってこの価格で駄目なら下りますで貫くしかないよと助言された。口下手でコミニュケーションにやや難ありの私の場合、確かに真っ正面から断るしかなさそうだ。電話で回答しようと先方へ連絡したら、担当者は帰ってしまったとのこと。明朝連絡するしかないが、それだけで気分が重くなってしまった。安い仕事だけに余計に憂鬱だ。上司はそんな安い仕事で悩むな、割に合わないならスパっと切ってしまえとは言うのだけれど。
しかしよくよく考えてみれば、これって今まで自分が協力先にやってきたことなんだよね。立場の辛さというのは、なってみないと分からないものだなと心底思った。