婆ちゃんの呆けに思う

親父たちの企画で、母方の祖母がH叔母さんと祖父に付き添われて1年ぶりくらいに名古屋にやって来た。坊たちからしたら大お婆ちゃんに当る人が来たのだからということで、兄貴の家族も来たので、総勢13名という大所帯の家族パーティとなった。
一緒におやつを食べ、お寿司を食べ、久しぶりの再会を楽しんだのだが、祖母のボケがかなり進行していたのに驚いた。前はちょっと前のことを忘れてしまい、申し訳なさそうに聞いてくるくらいだったのが、今や1分前の記憶がどんどん消えていっているという感じで何度も何度も同じ説明を求めるのだ。しかも、今回は申し訳なさそうにという態度も無くなっている。それどころか、私ら孫ですら全くの他人と会ったかのような反応なのだ。事前に聞かされていたとはいえ、これには衝撃を受けた。
不思議に思ったのは、祖母が青春時代を過ごした高山市でのことは鮮明に覚えているようで、既に居ない人のことをしきりに呼んだりしていたことだ。岐阜市の方が結婚してから随分過ごしているのに、そこでのことをまるっきり忘れてしまっているのだ。これはひょっとしてこういうことだろうか?我々も、日常生活のことは日々いろいろなことが起きているが、慣れると単調な毎日ともなり、何日に何をしたなんてことをすぐに忘れてしまいがちだ。最近なんか、3日前どころか、昨日食べたご飯の記憶すら怪しいほどだ。だから、単調な毎日を過ごしてきた時間は記憶にとどまりにくく、全てが新鮮だった青春時代のことのほうが鮮明に覚えているものではないか。早速、嫁に聞いてみたが、嫁は中学高校のことをそんなに覚えていないとのこと。個人差の問題の方が大きいかもしれない