背中の一押し

R君の今後について相談するために、今日は会社を半休して発達障害関連の民間の研究所を訪ねた。ここは月に2回、R君が訓練のために通っているところである。相談のテーマは3つあって、現状の学校でR君へのサポート体制が確立できるのかどうか、今のR君はどういう体制が一番合っているか、将来への展望について、を用意しておいた。所長さんに相談内容を打ち明けると、いろいろ脱線しながらも、大体次のような話をして頂いた。

  • 名古屋市は比較的、発達障害に対応している方であり、これ以上の対応を望むのは難しい。結局は人と金の問題であるため、発達支援のような採算の合わないことに、万全の公的支援を求めるのは困難と言わざるを得ない。よって親の方が動いて何とかするほか無い。
  • 知覚に過敏症を抱えており、またパニックを起しやすいことから、通常学級に在籍することは望ましくない。親ですら全部を理解できない子を先生に理解してもらおうという話自体が無理なのだから、通常学級にあれこれ要求するのは間違いなく徒労に終わるだろう。よって専門家のいる特別支援学級に在籍して交流学級に行かせている今の状態がベスト。交流学級では国語・算数に絞ることを推奨する。実社会に出て役に立たないものを切り捨てる勇気も必要。理科・社会などは、知りたくなったらやればいい。
  • あまり先のことまで心配しないこと。とりあえず3年先までに起こりうる問題に対して今から対処を考えておくぐらいがちょうどいい。研究所に通っている人の中には今、博士になっている人や立派に会社勤めをしている人もいる。発達が遅いだけで、いつか必ず必要なレベルまで発達はするからそれほど心配しなくても良い。

というアドバイスを頂いた。ちょっと面食らったのは、「お父さんもその傾向あるでしょ?」と聞かれたこと。正直、この手の本を読んだときにかなり思い当たる節があったので、素直に認めたら、「私から見て、失礼ながら、お父さんにもその障害の傾向が見える。でも今こうして立派にお父さんをやっておられる。何より、夫婦協力して子どもの発達障害に向き合っている点がとても立派だ。だから、自信を持って、R君をのびのび育てていい」と言われた。うーん。診断を正式に受けないと分からないけど、心当たりはあるからきっとそうなんだろうなと理解。子どもの頃は人の心が分からなくて、パターンを覚えて対処していた節があるからね。今でもちょっとあるか。
相談後、夫婦で食事をしながら話し合ったが、結論として、来年も今までどおりに支援学級に在籍し、交流学級に行くことにした。ただし、支援学級でやることについては少し要望を出すつもりである。前からこういう結論になっていたが、今回所長さんに背中の一押しをしてもらう形で決断をした。この決断を、近々担任のO先生にも伝える予定である。