何も知らずに貝を掘る人々

毎年、潮干狩りで人によく尋ねられる。人の良さそうな顔をした夫婦がそれなりの成果を上げて容器をアサリで満たしているからだろう。「アサリとそうじゃない貝の見分け方教えてください」「これって食べられる貝なんですか?」
今日は若いカップルと若い夫婦から聞かれた。質問しながら見せてくれたのは双方ともシオフキガイ。自分たちが採ったアサリを手本に見せてやり、形の特徴や表面のスダレ状の条線について教えてあげたが、イマイチ分かって無さそうな様子。相手の戦利品を見るとほとんどシオフキガイばかり。誰か教えてあげなかったのか…。アサリがどんなかも知らないで潮干狩りに来るなんて。だいたい、聞かれたのはもう引き上げようと思っていた時で、潮もかなり満ちていた。今から掘るとなると相当沖に出て、潜るくらいの覚悟で掘らないといけない。戦利品の量から、さっき来たばかりのようだったが、こんな状態で漁協は何も教えてやらずに入漁料だけ取ったのだろうか?もしそうならひどい話だ。もうほとんど採れないという趣旨は説明するべきだと思う。もっとも、到着してからいきなりバーベキューを始めて今頃になって掘り始めたのかもしれないけれど。
若い夫婦の方は、目的のアサリが採れないので、せめてこの貝は食べられるのかと聞きたかったようだった。食べられるが、あんまり美味しくないというか、アサリに比べると落ちますよと教えて置いた。あとで調べたところによれば、ちゃんと砂だしが出来れば、美味しく食べられるらしい。かなり手間はかかるが、次回挑戦してみようと思う。
話は逸れるが、こういうときにちゃんと人に尋ねられる人は凄いと思う。2組とも今時の若者だったが、ちゃんとした言葉遣いで聞いてきた。コミュニケーションの取れる人は、大抵言葉遣いもしっかりしているものだ。