捕鯨のこと
何かの本で読んだのだが、北欧で食される魚は大部分が養殖物であり、天然物は出来る限り獲らないのだそうだ。彼らが言うには、天然の魚は熊が食べるものであって、人間は自分で食べる分だけ育てる(=増殖・養殖)んだそうだ。自然の生態系への影響を極力無くそうという発想であり、だから、彼らの行う養殖は廃棄物の管理が徹底していて余剰の飼料を極力抑えているそうだ。その養殖技術はもはや日本を凌いでいるらしい。
この話を聞いて思ったのが、時折話題に上る捕鯨問題。捕鯨反対国の滅茶苦茶な論理には辟易しているし、鯨食文化を守るという意味でも捕鯨は続けて欲しいという気持ちはある。しかし、一方で、もう人間は自分で管理できる食べ物以外は食べないようにした方が良いのではないかとも考える。世界情勢の大きな変化でかつての途上国が経済大国へと変わりつつあり、富を手にした者達が徒に天然の食料を求め、それが天然資源の乱獲に繋がっていくことを心配している。資源の乱獲を行わず、食べる分だけ管理して養殖するのはなかなか良い考えだと思う。この考えに沿っていけば、捕鯨反対論や菜食主義者の主張も筋が通ると思う。
養殖され、消費される命には申し訳ないのだが。