胃カメラを呑んだ。オェップ

とうとうこの日が来た。胃カメラ検査。検査に備え、昨晩9時以降、食べ物はおろか、水も一切飲まず。朝食に坊たちが昨日の鍋の雑炊を食べているのを眺めているのは辛かった。
11時に予約していたので、駐車場が混むことを予想して10時には出発。案の定、駐車場は混雑しており、病院に辿り着いたのは10時20分頃だったのに、院内に入れたのは10時40分を回っていた。外来受付のやり方が分からずにちょっとモタモタしたが、なんとか内視鏡検査室に辿り着くと、そこからはスムーズに話が流れていった。
まず、胃をきれいにする薬品を、80mlぐらいだったか飲み干し、次に麻酔薬を喉にスプレーで噴射され、喉で2分間留める。まるでウィスキーでも呑んだかのように喉の奥が熱くなり、やがて喉の感覚が鈍くなる。2分間飲み込まないでくださいと指示されたが、タンが絡んで気持ちが悪く、1分過ぎたあたりで溜まらずコクンと少し飲んでしまった。2分経ったら飲み込んでくださいと言われ、飲み干す。喉に大きな違和感。喉の奥にゴムが詰まったような感覚。その後に胃腸を麻痺させる注射を打たれた。
その後、診察室に移され、ベルトを緩めて横になるように言われ、胃を下にして横になった。唾は飲み込めないので垂らしてくださいと口元に分厚いティッシュが敷かれた。医師はこれを咥えてくださいと、私の口にマウスピースをはめさせ、おもむろに胃カメラを挿入した。抵抗できないまま、胃カメラがぬっと喉に侵入する。溜まらず咽込むが医師は無遠慮(と感じた)に胃カメラを挿入し続ける。喉の奥に当たり、食道に胃カメラが侵入する。太いうどんを丸呑みしているような感触が喉から胃にかけて広がる。ものすごい嫌悪感と違和感に襲われる、が抵抗できないのでじっとしている。「十二指腸まで見ますので、ちょっと奥に当たりますね」と言われたとたん、腹の内部を棒で突かれたような感触がした。もう、このまま抜けなくなったらどうしようという気分。ひたすら早く抜いてくれと祈っていた。「写真撮りますので空気入れますね」と言われた直後、胃がぷくーーっと膨れ始めた。これでは北京ダックではないか!もう、いいように弄ばれているようで嫌だった。せめて、何をするのか事前に説明が欲しかった。げっぷをするなと言われたがそんなの無理。堪らず出したら再度空気注入された。その後、「組織を少し取りますね。痛くありませんからご心配なく」と言いながら、医師は名にやらワイヤーのようなものを胃カメラの操作ハンドルから入れていき、何かをした。その後はスルスルと胃カメラを抜かれた。抜かれる時は嘔吐感は無かったが、喉から食道、胃にかけて何かが残っているような違和感に襲われた。
看護士から、今日一日の注意事項を伝えられ、1時間は飲み食いはいけないこと、胃腸を麻痺させる薬の副作用で動機、眩暈、頭痛があるかもしれないと言われた。また、胃カメラで胃の中が傷だらけなので胃にやさしいものを食べるようにとも。このまま現場に直行する予定だったが、嫁さんに作ってもらった弁当が食べられないことが分かり、家に一旦戻って、途中で買ったうどんの材料で煮込みうどんを作って食べた。その後現場に行くも、薬の副作用か激しい頭痛に襲われ、仕事どころではなかった。頭痛薬を飲んで現場の机に突っ伏していた。休めばよかったかね。家に帰ってからも、喉から胃の違和感は取れず。特に喉は何かの拍子に、胃カメラを飲み込んだときの感触を思い出し、嘔吐感がぶり返す。
鵜飼の鵜の気持ちが少し分かった気がする。出来ればもう二度と受けたくない診察だ。