聞いたのは大分前だったけれど。ラジオか何かで聞いた面白い話。
笠地蔵という昔話がある。ウィキペディアWikipedia)によれば、
「ある雪深い地方に貧しい老夫婦が住んでいた。年の瀬もせまり、新年を迎えるにあたってのモチ代すら事欠く状況だった。 そこでおじいさんは、自家製の笠を売りに町へ出かけるが、笠はひとつも売れなかった。吹雪いてくる気配がしてきたため、おじいさんは笠を売ることを諦め帰路につく。吹雪の中、おじいさんは7体の地蔵を見かけると、売れ残りの笠を地蔵に差し上げることにした。しかし、手持ちの笠は自らが使用しているものを含めても1つ足りない。そこでおじいさんは、最後の地蔵には手持ちの手ぬぐいを被せ、帰宅した。
その夜、家の外でなにかが落ちた様なする、そこで外の様子を伺うと、モチをはじめとした様々な食料、財宝がつまれていた。老夫婦は手ぬぐいをかぶった地蔵を先頭に7体の地蔵が去っていく様を目撃する。この贈り物のおかげで、老夫婦は無事に年を越したという。」
という話だ。ここで問題。果たしておじいさんは本当に親切な人だったのだろうか?ラジオの話では否である。何故か。おじいさんは行きにもお地蔵様を見ているはずなのである。吹雪いてなかったかもしれないが、本当に親切ならこの時点で笠を被せていたのではないかと。では何故、おじいさんは行きがけにお地蔵様に笠を被せなかったのか。それは、笠を売りたい一心で、他の事に全く目が行かなかったからである。そして、町で笠が売れず、諦めて帰る道すがら、ここでやっとお地蔵様が目に留まったのだ。笠の供給先としてお地蔵様を見つけたのである。打ちのめされ、視点が変わったことで、他に笠を必要としている人(?)、新しい顧客を見つけたのだ。つまりこれはただの昔話ではなく、ビジネスの教訓話だったのだ、とラジオでは言っていた。かなーり強引な話だが、ちょっと面白い解釈である。