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春に立て続けに亡くなった祖父母の初盆のために、兄貴の家族を愛車ノアに乗せて親父の実家へ。甥っ子のMちゃんは以前は非常に人見知りが激しかったのだが、今はとてもヤンチャな坊主になっていた。頭も坊主頭だったので初盆にはおあつらえ向きであった。姪のKちゃんはまだ6ヶ月。平安貴族のような美人、、、物は言い様だが、笑うと菩薩のように、見る者を穏やかにさせる顔になる。道中、サガミに寄って昼食をとり、その後は一路中央道を飯田までかっ飛ばした。
叔父の家の前では母とJ君が手招きをしていた。そういえばJ君、久しぶりである。既に何人か親戚が来ていたが、葬儀の時のような慌ただしさは無く、皆ゆったりとお茶を飲んだりしていた。初盆見舞いと水菓子を渡して着替えた後、初盆が始まるまで適当に歓談した。叔父も所在無くうろうろしていたし、参列する親戚衆もまばらに来てくつろいでいたし、従妹のだんな衆などはまだ普段着でうろついていたから、この田舎の盆はのんびりとした雰囲気である。
J君は曾孫衆の中の長兄として、他の曾孫の面倒を実によく看ていた。普段のR君への態度が嘘のような優しさである。おかげで従妹たちから子守としてすっかり頼られていた。
やがて住職が来て、初盆の儀式が始まったが、皆正座して読経の間お祈りし、喪主である叔父が代表として線香をあげて終了。その後、送り火を焚いて、その火でもう一度参列者全員が線香をあげて終わり。このとき風が強くて、紙を巻いた蝋燭の火が強くなりすぎてあっと言う間に燃え尽きてしまった。住職が臨機応変に対応し、蝋燭立ての蝋燭全部灯す前に線香を点けさせていた。
儀式も終わり、あとは宴。今回一番上の従妹のYちゃんは、旦那の実家の法事で席を外していたので、次女のEちゃん、三女のNちゃん及び各々の旦那が相手をしてくれた。特にNちゃんの旦那とは、酒の席でも、その後の花火の後で外でサシで飲んだ。まだ20そこそこと若いのに、家庭のこと、仕事のこと、社会のこと、趣味のことと、しっかりとした考えを持った人で感心してしまった。見た目はもろヤンキーなんだが。人は見掛けでだいたい判断できるが、見掛けだけで判断してはいけない良い例だ。
外で2人だけで飲んだとき、あんまり話が乗って旨い酒になってしまったのでついつい飲み過ぎてしまった。彼も明日は用事があるということで適当なところでお開きにして解散。時計を見るともう11時を回っていたので急いで風呂に入らせてもらい、敷いてもらった布団に潜り込んだ。寝るのが遅かったため、私の布団は祖父母の祭壇の前であった。ちょっと怖かったが、酔いも手伝ってすぐ寝入ってしまった。途中何度かうなされた気がするが気のせいだろう。