Y氏の披露宴は、徹底的に和に統一したそうで、それを実現するために、何と名古屋でも有数の高級料亭「八勝館」を会場にした。何でも、北大路魯山人だけでなく、昭和天皇も来たというくらいの店である。とてもすぐとなりに高層マンションやジャスコがあるなんて思えないくらいに、見事に周囲の世界を遮断した庭園もあり、ただただ圧倒された。


料理は、初めて食べるようなものばかりだった。よく考えたら、仕事でこういうところに来たのは何回かあったけれど、いずれも緊張していて味なんか分からなかった。しかし今回初めてじっくり味わえる立場で食するのだ。これはしっかり味わわねばと思った。




じゅん菜というものを初めて食べた。


鯛は何とケーキカット代わりに供されて、

おから入りの餡を絡めて出された。とても美味しかった。

刺身も、一見何てことはなさそうなものだったが、食べて吃驚。こんなに美味い鮪と鯛の刺身は初めて食べた。何と言うか安い店独特の水っぽさと生臭さがない、魚本来の味がしっかり出ている刺身だったのだ。唸りながら食べてしまった。またそのとき出た酒も、自己主張せず、料理と調和するすばらしい酒だった。




その他炊き合わせとかもとにかく美味いの一言に尽きた。

ただ、ひとつだけ文句を言わせてもらえば、赤飯とともに出された漬物だけは裏のジャスコで買ってきたんじゃないかってくらい安っぽい味の漬物だった。こういうところで手を抜かれると少々がっかりである。

最後が杏仁豆腐だったのはまぁ許してやろう。
食べてる間、嫁と子供に申し訳ないという思いで食べてた。そのくらい美味しかった。いつか自分の金で来れるといいねぇ。