今日は予てよりのJ君との約束で釣堀に行った。私も子供の頃は、釣りキチ三平をバイブルにして釣竿片手に近所の池やら川やら海やらを自転車でまわっていたもので、多少の心得はあるのだけれど、釣堀というのは初めてだったのでちょっと緊張した。自宅から車で10分ほどの距離にあるその釣堀は、1時間500円で、釣れた魚の重さに応じて多少お金が戻ってくるというもの。カウンターのちょっと怖そうなおばさんに2人分お願いして、練り餌と一本竹の簡素な釣竿を借りて池に入った。R君もついてきていたが、大人しくできないので今日は我慢してもらった。
早速レクチャーといきたかったのだが、なにぶん私もブランクが長い。ちょっとモタモタしながらどうにか竿に巻いてある糸を解いて、針に餌をつけて釣りを始めた。
最初だけR君にも竿を持たせたが、すぐに飽きたのが場を離れていってしまった。

J君は、なかなか頑固で人の言うことを聞かずに自分でやってしまおうとするところがあるので、敢えて放っておいて見たら、案の定竿の長さに振り回され、周囲を見ずに振り回してしまっていた。針が私の頬をかすめた時には、さすがにもっと周囲に気を配れと厳重に注意した。その後はだんだんやり方がわかってきたらしく、ちょっとのアドバイスで浮き下を調整してみたりいろいろ試していた。ただ、今日は生憎、強風で水面が波立っており、浮きの微妙な動きが分かりにくかった。幾度となく、「アタリか?」という浮きの挙動はあったものの、なかなか見極められなかった。
R君はその間、釣堀で飼ってる猫や犬の相手をしたり、釣れてる人のところに行ってデカイ声で「お父ちゃーん。この人釣れたー」と知らせてくれたり、走り回ったりしたので拳骨をお見舞いしてやった。
釣りというのはボーっとしてるように見えて、実際にやってみると浮きの動きに集中してたりで静的な忙しさがある。親子2人して、竿を垂れながら一言も喋らずに浮きの挙動に全神経を注いでいたのだが、どうも私もJ君も猫のような集中力があるようだ。釣りに向いてるのかな?
なかなかアタリが無く、場所を何度か変えてたら、J君の傍にお年寄りが近づき、アドバイスを始めた。見るに見かねてだろうか、それとも退屈しのぎにだろうか。これは何としても釣らねばと思っていたら、ちょうど釣堀のおばちゃんが会計を済ませた人が釣り上げた鯉を放していた。チャンス到来!果たして数分後、私の浮きが今まで以上にアタリを示す挙動。なかなか合わせられなかったが、何回かのチャレンジの末釣り上げに成功。しかし、ここで網が手元に無いのに気付き、アタフタと蟹歩きしながら網を取ろうとしたら、逃げられてしまったorz。釣堀支給の針は、魚へのダメージを最低限にするために返しがないのだ。だから上手に釣り上げないとすぐ逃げられてしまうのだ。がっかりしたが、釣り上げたところは坊たちに目撃されていたので何とか父親のメンツは保てた。
1時間して釣堀終了。J君は結局、はっきり分かるアタリの感触が得られなかったので不満そうだったが、またリベンジしたいと言っていた。私も少なからず面白いなと感じてしまったのでまた連れて来ようと思う。