朝7時に待ち合わせをして、ホテルの朝食バイキングへ。和洋折衷+中華少しといろいろバリエーションがあったが、中でもジャガイモが美味しかった。焼きうどんも昆布が入っていて美味しかった。

どうでもいいがここでも中国人韓国人がこれでもかというくらい皿にとって食べていた。私も負けないくらい食べてしまったがするが、彼らはよく食べるのに平均的に体格がスマートであるのが羨ましい。
食後9時に待ち合わせたものの、外は粉雪。本当に「こ〜な〜ゆきぃ〜」ってくらいに降っている。しかも気温が若干高いせいか、次第に霙っぽくなってきた。観光に来たのにツイていない天気である。こんな天気だからとりあえず小樽に電車で行って見ましょうと、札幌駅を目指そうとしたものの、地下鉄駅までも結構距離がある。どうしようかと思っていたらホテルの前にちょうどタクシーが停まっていたので、これで駅まで行こうかとS課長代理が言い出した。これが運命の出会いであった。
札幌駅までよろしいですか?と聞くと結構でございますよと快く乗せてくれたが、今日はどこに行くつもりですかと聞かれ、とりあえず電車で小樽までと答えると、こんな天気では大変でしょう、宜しかったら私が夕方まで案内しましょうかと提案された。このタクシー、実は個人タクシーで観光タクシーもやっているのだった。値段も1人1万円ずつ計2万円+高速代だけで良いというので、電車でわけも分からず行くことを思えばガイド付きでこれは破格なのではないかと思い、速攻でガイドをお願いした。
最初に案内されたのは、札幌市の中央市場の隅っこにある蟹の卸業者。漁師から直接入荷し、仲買を通さずに直接客に売っているということで、非常に安かった。あんまり安かったので調子に乗って毛蟹3杯とズワイガニ1杯を買って家族に送ってしまった。これで蟹だけで7500円は安い、と思った。正直旅先でこんなに奮発して高級な食べ物を買ったのは初めてである。
次に案内されたのは白い恋人たちのチョコレート博物館。チョコレート博物館〜?と思い、見くびっていたが、現地についてみると愛知県の某おかしのなんとかに比べて遥かに凝った作りになっていて、本格的に観光で食っていこうとしている覚悟がよく見れた建物だった。10時のチャイムと同時に入り口前のからくりが動き出し、楽器演奏と歌で歓迎。天候が悪かったとはいえ、これはなかなか凄かった。

中に入るとチョコレートの歴史や製造方法などが本格的に解説されていて面白かった。最後のほうで関係ないけど社長のコレクションで作ったおもちゃの博物館があってここも懐かしいおもちゃがあって大変面白かった。
次は高速道路に乗って小樽へ。小樽で下りてすぐに石原裕次郎記念館を見てきた。入館料1500円と高かったし、そんなに興味も無かったのでどうかと思ったが、入ってみると石原裕次郎の全ての遺品が展示してあるということで、知らず知らず魅入られてしまった。同じ人間なのに、なんて、なんて華やかな人生なんだ、と惚けてしまうくらいに感心した。余談だけど、石原裕次郎の身長が183cmもあるなんて知らなかった。本当に羨ましい人生を送った人なんだね。
次はいい時間だったので、運転手さんお勧めの海鮮食堂へ。運転手さん曰く、小樽で寿司を食べてもしょうがないそうだ。同じくらい美味しい寿司屋は今じゃ名古屋にもあるよと。そうなると獲れ獲れ新鮮の魚介類を調理してくれる食堂がいいということで、漁師さんも日常的に利用する店に案内してくれたのだ。ここで頼んだのは、八角という珍しい魚の刺身、にしんに塩焼き(40cm超のでかさ!)、うに丼とビール2本。うに丼はちょっと予算的に苦しかったので1人前にご飯と味噌汁をもう1人前つけてもらった。




まずは昼間っからのビールで乾杯。美味い!八角の刺身は、見た目通りさっぱりしていてかつ、しっかりとした歯応えがありながら噛むと舌の上でほろほろの崩れる美味しい魚だった。ニシンの塩焼きは初めて食べた。意外に淡白で美味しかった。小骨が多かったのがあれだが大変よかった。うに丼は、高いだけあって極上の味。あんなに臭くなく舌の上でとろけるように無くなる海栗は初めてだった。ミョウバンの使用量を極力落としているらしい。また、ついてきた味噌汁もベビーホタテでたっぷり入っていて贅沢な味噌汁だった。食べ終わった後はニシンを焼いている前で記念撮影。
次はニシン御殿の青山邸へ。娘の一言で建ってしまった非常に高級な屋敷に圧倒された。使われている木材等もヒノキ1本を丸ごと使った梁だとか、当時としては高級だったガラスをふんだんに使った窓、職人の知恵が光る要所要所の工夫など。入館料が高かったので中には入らなかったが、次の機会には是非入ってみたい。こういうものがしみじみいいと思える歳になってしまった。
次はお約束の小樽運河。数多くの映画の一シーンに使用されたとのことで、運転手さんからは「俳優になったつもりで歩いてください」とのアドバイス。本当はガス燈が灯る夜に来るといいのだそうな。川だけを見れば名古屋の堀川と対して変わらないくらいに汚い川だったが、運河全体の雰囲気は映画に撮られるだけあって私には大人の渋味が感じられた。きっと生憎の天気だったせいもあるのだろう。運河は晴天よりも雨天が似合う気がする。雨の夜なら最高ではないのか?

その後は、旧日本銀行に連れられ、そこで一億円と同じ材料の未印刷の札束を体験した。一億円で10kgなのだそうな。その1/10でいいから欲しいものだ。うん。サマージャンボとか当てるとあの2〜3倍貰えるのだね。
最後に、小樽の北一ガラス工房など、名店巡りをした。ここでは約1時間とって見物。ガラス工房はそれなりにいいものはあったけど正直なところ手が出ないものばかり。その後たまたま隣にあったチョコレート屋さんの店頭での試食が美味しくて、ついつい入店。Le TAOという店だったのだが、ここの紅茶チョコと、白ワインを練りこんだホワイトチョコが素晴らしく美味しかったのついつい購入。その後、飲んだカップが貰える銀の鐘という喫茶店で一服した後で小樽オルゴール堂へ。ここはS課長代理は興味が無いらしく外でタバコを吸っていたが、私はこういうのが好きなので2階にあるクラシックなオルゴールを物色して回った。どれもこれもとても手の届くものではないが、せめてものと思い一つ高級なものの音色を聴きたいと思い、店員さんを探していたら、たまたま羽振りのよさそうなお客さんに試聴させようとしているところを見つけたので、私も同席させてもらった。オルゴールの音色というのは本当に心が洗われる様で、いい。三十路も後半に入ったおっさんがオルゴールにじっと聞き惚れるというのは全く絵にならないけれど、試聴の演奏が終わるまで直立不動で聴き入っていた。将来、こんなオルゴールをポンと買える位の収入が欲しいのぅ。
一通り見終わったところで時間は3時過ぎ。ここから札幌にもどればちょうど約束どおりの4時ごろである。観光タクシーの運転手さんはところどころで写真を撮って下さるだけでなく、時間配分も実に上手い。ちなみに女性のお客さんの場合はまた所要時間を調整するのだそうだ。本日の時間配分は野郎仕様ということだそうで。帰りの道中はずっと運転手さんの営業トーク。私らも、この運転手さんに格安料金で観光案内と楽しい時間を提供してもらったのでとても好感が持てたので、素直に聞けた。次回もしまた札幌に来れる機会があったら、この人にまた頼んでみようと思う。本当に、この人に巡り逢えたのは幸運だった。出会いに感謝。
ホテルにおろしてもらい、食事まで休憩ということに。ここで少し冷静になれたが、いくら安かったとはいえ、観光に1万円、蟹に1万円近く使ったのは非常に大きく、あとお土産代と今晩と明日のお昼代ぎりぎりしか残っていないことに気付かされた。交通費もあるから、元から持っていた小遣い分にも割り込んでしまう。うーーん。結局、夜はそこそこの一応ガイドブックにも紹介されているような飲み屋でちびちびやることにして、夜のすすきのに向かった。
入った店は標準的な店だった。刺身類はネタがいいのだろう、とても美味しかった。私は無脊椎な奴らが好物なのでホヤ(正確には一時期脊椎動物っぽくなるのだが)を頼んだが、生臭くなくて大変美味しかった。また、これは札幌〜小樽の店全般に言える気がするが、一品一品の量が多めで助かる。東京や名古屋のようなけちけちした盛り付けではなかった。ただ、難があったのが揚げ物。はっきり言って火の通しすぎ。中が半生に近い加減が一番美味しいイカの天ぷらが、とてもクリスピーな歯応えになってしまっていた。スルメの天ぷらじゃないんだから…。あと、せっかくの札幌の飲み屋なのに、地元のお酒がほとんど置いていなかったこと。北の誉とかが飲みたかったのにね。一応観光地なんだから、そういうのも取り揃えて欲しかったなぁ。ビールもアサヒドライだったし。何故札幌クラシック等、地元限定のビールを主力にしないのか。
こんな店だったがなんのかんの6000円近い出費。金がない雰囲気というのは客引きにも分かるのか全く声を掛けられず。2人とぼとぼと帰るのは実に寂しいものであった。もうあと倍のお金があれば、夜のすすきのを堪能できたものを…。