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深夜、日付がイブからクリスマスに変わったころ、プレゼントを置きに行った。長男坊のは2段ベッドの下に寝ているので、邪魔にならないよう足元の床に置いた。次男坊は夫婦のベッドに寝ており、枕元に余裕がなかったので、これもまた足元の床に置いておいた。いつも次男坊に射っているホルモン剤の注射は、紛らわしいので中止した。
朝。出勤日なので夫婦共々6時起き。長男坊は既に起きており、居間の床にプレゼントの中身を広げて組み立てるのに夢中になっていた。私に気が付き、「父さん、おはよう。サンタさん、本当に願い通りのプレゼントくれた!」と目を輝かして誇らしげにプレゼントの箱を見せてくれた。あげたのはレゴブロックの飛行機(定価8000円?)。喜んでくれて何よりである。また、まだサンタを信じてくれていたようなので、嫁の顔を見て親指を立て、「大成功!」。
次男坊がなかなか起きてこない。嫁によれば、夜中に何度も起きて、「サンタさん、まだ来てない?」と聞いてきたらしい。実は前日、次男坊は聞かん坊だったので何度も「言うこと聞かない子のところはサンタさんも来ないよ!ちゃんと見てらっしゃるんだからね!」と叱り付けたのと、一度本当にどうしようもないことをしたので「あーあ。今年はサンタさん来ないよ。残念だったね」と言い放っていたのだ。本当は既に足元に置いてあったのだけれど、教えると今から遊びかねないので「来てないみたいだねー」と答えたら、「ふぇ〜」と半泣きになりながらいじけて布団に潜っていたらしい。そんなやりとりを何度もしていたのだそうな。可愛い奴である。
寝室に向かい、猫みたいに丸くなって寝ている次男坊の耳元で「お〜い。サンタさん、プレゼントくれたみたいだよ〜」と囁いた。次男坊はモソモソと起き出し、ベッドの上にちょこんと正座し、寝ぼけ眼で「サンタさん、来てくれなかった」としょんぼり言った。「○◎くん、これは何?」と枕元に移動させておいたプレゼントをコンコンと叩くと、最初は「え?」という顔をし、直後目を真ん丸くしてパァっと明るい顔になり「サンタさん、鈴の音しなかったよ?なんで」と言いながらもご満悦。普段親に取らせるメガネを自分で取りにいって、メガネをかけてから改めてまじまじとプレゼントを見、両手で抱えてそのままピューっと居間へ走っていってしまった。
数日前にあれこれサンタのことで書いたけれど、親としては単純に、枕元のプレゼントの見た瞬間の、子供の表情が見たくて周到な準備と嘘を練り上げてるんじゃないかと、しみじみ思いながら次男坊の後姿を見送った。あの驚きと喜びの入り混じった表情を見られるのが、親の醍醐味だ。