営業デビュー

今まで社員通用門みたいなところから入っていたのが正面玄関からの入社になる。もうここから意識が変わらされる。挨拶の順番も、今まで通用口入って直ぐの工事から設計・開発へ行き、一旦荷物を置いてから営業部と取締役に挨拶していたのが、最初に営業と取締役になるのだ。古巣が一番遠くなってしまった。
社内電話も「本社開発の〜」から「本社営業の〜」に変わる。当たり前だが、私も相手も強い違和感を感じる。早く慣れなければ。
名刺は刷れてなかったので、古い名刺にテプラで細工してもらってしばらくは持たせることにした。そうそう、今まで全部自分でやっていたことも、極力業務課の人にお願いしてやらなければならない。お客さんをいっぱい抱えると、些末な仕事をいちいち自分でやっていたらパンクしてしまうからだ。これからは社内の人を利用することも覚えなければいけない。
午前中は頼まれていた資料を作成し、午後は直属の上司と共に客先廻り。基本的に隣に座って話を聞いているだけだが、客先の場所や駐車場の位置を覚えたり、担当者の名前や雰囲気、どういった風に話を進めていくのかを吸収しなければいけないので気が抜けない。ずっと緊張しどうしだった。社に戻ってからは、古巣のSOSでやり残したことの手伝いに行かせて貰い、少しだけ気が緩んだ。でもその後も資料作りや読み込みで結局夜9時過ぎまで残業。その間上司は、大きなトラブルが起きた現場の打ち合わせを隣のミーティングテーブル上でやっていた。あんなふうに自分も話をまとめなければいけないなぁと、注意深く聞き耳を立てていた。ミーティング後も「聞いていただろ?どう思う?」と質問されたので自分の見解を述べた。
緊張した1日だったが、スタートとしてはまずまずか。とにかく半年は勉強の毎日だな。頑張ろう。