我らの仕事納め

本社では大掃除をしてから大会議室で仕事納めの儀をしている頃、私とM主任は官庁物件の現場で今日も保守点検業務に就いていた。淡々と仕事をこなし、今年最後の保守点検をする。実験も同時に行っているので、年越しにトラブルの無いようにいろいろな調整に余念が無かった。幸い、今週施した処置が功を奏して、施設の物質収支のバランスが取れてきた。もともと我々が実験当初から主張していた内容を実施しての結果である。やはり共同研究者はど素人だったのだ。システム全体を理解せず、いやそもそもこの専門分野のことを禄に勉強しないで、既存のセオリーを否定する、言わば擬似科学を信仰する者達だったのだ。年明けにはそのことを思い知らせてやろうと思う。
もっとも思い込みの激しい、天然の人なので、この結果すら自分の手柄と思い込んでいるかもしれないが。そんな応対も予想できて、ちょっと気が重たくもある。分かっていない人と一緒に仕事をするのは疲れるものだね。
何はともあれ、今日で仕事はおしまい。M主任、お疲れ様。良いお年を。