日本のアニメの評価

偶然ネットで見かけたのだが、「火垂るの墓」が今更ながらアメリカで高い評価を受けているそうな。ググってみたら、いろいろな研究報告まで出されている。アマゾン米国のレビューは500を超えている。米国人の感想は「打ちのめされた」というのがほとんど。大変素晴らしい作品だがもう二度と観ることはないだろう、だとか日本のドロップを見ると思い出し泣きをしてしまう、などかなり精神的ダメージを受けているようだ。ハッピーエンドが好まれる国民性の中で、全く救いの無いあのストーリーがいかに衝撃的だったかは容易に推察されるが、欧州ではどういう評価なんだろうか。ああいう悲劇的な救いの無いラストの映画がヨーロッパ映画では普通にあったはずだから、そんなに大騒ぎするような受け止められ方は無いと思われる。いや調べてないから実際のところはどうか分からないけどね。
意外だったのは、アジアの最も近い国々の人々もあれを見て名作だと評していたこと。加害者としての日本しか知らなかったある若い中国人は、被害者としての日本を始めて知り、戦争そのものの罪を深く考えさせられたそうだ。上映されてもう20年も経つが、世界的にこれだけの評価を受けるなどとは、当時は微塵も思わなかったなぁ。
知らなかったが、当時はとなりのトトロと同時上映だったそうで。となりのトトロの後にあれを見た観客は大変気の毒だったろうな。涙が止まらなかった人や、ショックで席を立てなかった人が大勢いたそうだが、無理も無い。私も、大学時代に見たときはショックだった。今は子持ち故に、余計に哀しくて泣ける。
つらつらと書いたが、日本のアニメがこういう形で高い評価を受けるのは何だか誇らしいものである。