今日、実験現場にある処理場を管理している協力業者Jさんから哀しい話を聞いた。Jさんはこの現場に来る前に朝一で某福祉施設に行っていたのだが、そこのコックさんが食料庫で首を括っていたのだそうだ。管理施設の近くに朝早くから車が停まっていたので朝早くから仕込みご苦労さんと思っていたら、昨夜から戻らないというコックさんの家族の知らせを受けた他の職員が慌しくかけつけ、成り行き上、コックさんを探すのを手伝った結果、本人の変わり果てた姿を見てしまったとのこと。昨日には施設の偉い人との間で大きな揉め事があったらしく、発作的に首を括ったらしい。聞けば、故人には妻子もあったとのこと。
Jさん自身ある程度顔見知りの人だったらしい。今朝会った時から、いつもテキパキと作業をこなすJさんが俯き加減に考え事をしながら作業をしていたのでおかしいなとは思っていたが、朝からそんなものを見てしまったら堪えるだろう。誰かに話したかったらしく、私に話してホッとしたのか、帰り際はすっきりした表情をしていた。
故人の事情は分からないけれど、なにかよほどのことだったのではないかと思うけれど、何故この人は自殺という最悪の選択肢に進んでしまったのだろうか。思い詰めていたのだろうか。それなりの事情あってのことなのだろう。しかし残された人はどうなるのか。死以外の選択肢は無かったのか。私は追い詰められても、最悪の選択肢だけは選ばないようにしたい。