今日、嫁から聞いた話。今、普通学級の子達の障害児への理解を深めるために交流会というのをやっているそうだ。そこでとても嫌な思いをしたというのだ。
交流会では、いつぞや書いた問題行動のある普通学級の小学5年の女の子がクラスを抜け出して遊びに来ていたのだが、その子は教室のオルガンを大音量で弾いていた。これに対し、大きな音が苦手な障害児たち(小学2年生)が怒り出し注意をしたのだが、その子はいきなり激昂して障害児のうちの一人を強く叩いてしまった。それを見ていた交流会の補助で来ていたダウン症の子のお母さんが激怒し、その子を大声で罵倒したのだ。そのお母さんの怒りは収まらず、「そんな問題のある子を普通学級に行かせるなんて」だとか「なんで障害児学級に入っていないのか」、挙句に「親がちゃんと躾けないからいけないんだ」と暴言。障害児学級には発達障害の子がウチも含めて4人おり、今日はその親全員が来ていた。その4人にはその女の子の行動が良く分かり、だからこそそんな注意の仕方をしても効果がないこと、その子の問題行動は親の躾けの至らなさでは無くそういう障害の疑いが高いことを説明したのだが、「納得いかない」とずっと首を振り続け、頑として聞き入れなかったのだそうだ。その後、ダウン症の子がぴゅーっと飛び出ていったためそのお母さんも出て行ってしまい、気まずい空気だけが残った。そのお母さんは、その女の子のことを怒っていたのだが、その時口にした内容はそのまま発達障害の子にも当てはまる話であり、4人のお母さんを前にしてよくそんなことを言えたものだな、皆思ったそうだ。
咄嗟に口から出たその言葉は、明らかに日ごろ思っている本音であり、私たちの発達障害の子をそういう目で見ていたのは疑いようがない。普通学級の親からそういう言われようをされるのは、想像が出来るし、仕方のないことだし、その偏見と誤解を解くための交流会だと思うから協力して積極的に参加してきたのだが、まさか同じ障害児の親からそう思われているとは思わず、怒りを通り越して情けないやら哀しいやら。
そのダウン症の子こそ、重度の知的障害があり問題行動も多くて目が離せないため、先生2人がほとんどかかりっきりで、他の障害児の面倒が見切れていないという現実があるのだ。他の子への影響を考えれば、普通の小学校の障害児学級よりも養護学校に行くレベルなのではないかと思われるのだが。この小学校には障害児学級の定員に入れず、普通学級に通っている発達障害の子もいる。中には授業中でもお母さんやヘルパーがつきっきりの子もいる。しかし、聞けばこのダウン症の子のお母さんは、上の子が普通級の同じクラスなのだそうだが、その子に対しても「そんなに無理してまで普通クラスに通わせるなんて」「家での躾けに問題がある」などと言っていたのだそうだ。同じ障害児の親だが、互いの子の障害の内容は理解していなかったようだ。共に協力し合って、全校生徒の理解、引いては地域社会の理解を得るために活動しなければと思っていた矢先に、思わぬ方向からの無神経無理解な発言。本当に悔しいし、腹立たしいし、情けない。寂しい。