新卒者対象の会社説明会というものに同席した。我が社としても十数年ぶりということで、いよいよ人不足も極まれりというか、やっと重い腰を上げたというか。大卒者獲得にやっと本気になったようだ。
私は質疑応答のときに技術的な立場から回答してくれればいいということで、会社説明の間はずっと後ろから新卒者を観察していた。皆、姿勢が良く、熱心にメモをとっている。あくびをする者もいない。そんなとこをメモにとってどうすんだとも思ったが初々しくて良いとも思った。ふと、新卒者たちのかかとを見たら、皆一様に磨り減っている。普段からあんな黒の革靴を履くことはないだろうから、相当地道に足で探したんだろうな。そういう地道な努力が出来る学生さんは、我が社に向いていると思う。ここはひとつ質疑応答でよくよくアピールせねば。
質疑応答になって、初めのうちは残業があるのかとか、休みはどれくらいだとか、まだちょっと固いなという感じの質問をしてきたので、何か喉まで出掛かっていそうな人に発言を促して場を和ませてみた。でも残業云々に関しては「どこの会社でもそうですが、残業時間が多いかどうかという質問については、それ以前の問題として仕事が終わるまでは帰る事はできないというのをよくよく肝に銘じて欲しいと思います」と釘を刺しておいた。「終わって無くても帰れるのはアルバイトですよ」とも付け加えておいた。それ以外については、都合の悪いことは伏せて、技術系の仕事がいかに面白いか強調しておいた。ただ、賃金の話で、人事部長が即答せず、具体的な数字も上げなかったので、これでは今時の学生は来ないかもな、と思った。
全体的な感想としては、全員来て欲しいと切に願うものである。人手が足りないのもあるが、それ以上に将来の担い手が不足しすぎなので。