さて、今日から慰安旅行。どうやら本当に私とS課長代理の2人だけの慰安旅行らしい。大人しい人間2人だから無難な旅行になりそうだな。与えられた予算も会社+家で5万弱。すすきので楽しめなくもなさそうだが、いかんせん相場とか分からないし、色をとれば他が立たなくなりそうだし、悩ましいところ。
朝早く起きて飯をかっ込み、念のため鼻炎の薬を飲み、荷物を確認してから出発。バス地下鉄と乗り継いで金山駅まで行き、名鉄金山駅ミュースカイに乗り換えて中部国際空港へ。空港に着くとS課長代理もちょうど着いた所だった。周囲を確認したが、本当に2人だけのようだ。航空会社は今何かと話題のJAL。平日の新千歳空港行きはガラガラであった。そりゃそうだろうな。飛行機に乗っている間はずっと会社の話をしていた。会社のことを忘れるための旅行なのだが、S課長代理との話題の接点が無いのだから仕方がない。話に夢中になっていたらあっという間に新千歳に着いてしまった。高度を下げ始めた時、左耳が全く聞こえなくなった。前に新潟へ飛行機で出張した時もそうだったが、鼻炎気味の私は飛行機で高度が下がる時が辛い。圧が上手く抜けないので、キーンとしたままになるのだ。つばを飲んでもダメ、水を飲んでもダメ。空港に着いてしまってから何度か大きなあくびをしてやっと圧が抜けた。
汗ばむ陽気の名古屋と違い、北海道は寒い。空港の中は適温だが、エアポートラインで少し外気を感じた時に冷たい風を感じたので荷物からコートを取り出した。札幌駅に着きとりあえず昼飯をということになった。ガイドブックというものがあまりアテにならないのは毎度のことだが、それでも他に頼るものがないので、札幌駅のエスタというビルの10階にあるラーメン横丁みたいなところで食べることにした。ここで、荷物をロッカーに預けたのだが、お金を払わないと開けられないのには難儀した。大きな荷物なので入るかどうか分からないではないか。入らなかった時は払い戻してくれるのかどうか心配しながら無理やり押し込んだ。
ラーメンは空いてた店で食べた。なんて店かは忘れてしまったがカキ醤油ラーメンというのが美味しそうだったので、それと札幌クラシックビールのビンを頼んだ。まずはビールで乾杯。平日の昼間から飲むビールは実に美味い。働いてる皆さんには申し訳ないが、本当に美味い。その後出てきたカキラーメンはとても美味しかった。正確には上に乗っているカキが丸々と太ってプリプリなのがゴロゴロと8個ばかり入っていたのが良かった。店で食べるカキでこんなに美味しいのは久しぶりだ。おかげで、ラーメンもあっさり系で美味しかったのにカキの美味しさの前で印象が薄かったのがちょっと残念。でも、とにかく美味しかった。やはり北海道は美味いな。

少し早かったが、昼食後はとにかく荷物を置いてきたかったのでホテルへ向かった。市内観光と時間稼ぎもかねて札幌駅から中島公園駅まで歩いてみた。意外に近くて、ものの30分ほどでホテルに着いてしまったのでちょっと拍子抜け。ホテルは会社が予約してくれたところだが、なかなか豪奢なホテルなのでちょっと驚いた。さすが、普段は役員が泊まっているホテルである。早かったが直ぐに部屋の掃除を終わらせてもらい、チェックインをした。受付でLANケーブルを貰ったのでネットし放題だ。これで夜の街の偵察だ。
特に行くところは決めていなかったが、とりあえず札幌ビール博物館とやらに行ってみることに。

さっき歩いて疲れたので、地下鉄と市内循環バスを乗り継いで博物館へ。平日なので客は非常に少なく、ガイドさんも私たち2人と他の客一人の計3人相手にガイドしてたくらいだ。ガイドの内容自体は日本におけるビールの歴史と北海道の開拓史を併せて説明しており、非常に興味深く、面白かった。昔の私なら大して興味を持たなかったと思うが、こういうのが楽しめる年になってしまったのだな。説明が終わり、有料での試飲をやってみた。

400円で、けっこう大き目のグラス3つになみなみと注がれた3種類のビール、黒ラベル、黒生、札幌クラシックが楽しめておつまみもついて、とてもお得だった。ここでも少し酔っ払う。その後みやげ物屋で酔いに任せて私のハンドルネームと同じ帽子を見つけてついつい購入。他にも怪しげなビールに関わる菓子を買い捲る。
気持ち良くなりながら、一旦ホテルへ。酔っていたので乗る地下鉄を間違えて、ホテルまで寒風吹きすさぶ中トボトボと歩く羽目になったが。夜はジンギスカンとカニを食べようということで、ホテルの目の前にあった麒麟麦酒館へ。ここで我々は愚かにもジンギスカンとカニ3種食べ放題+飲み放題などというコースを頼んでしまった。

これがあとで大失敗につながるとも知らず。食べ放題2種と飲み放題を頼むとどういうことになるか?大人数だったら良かったかもしれないが、2人では三方成り立たずという状況になってしまうのだ。つまり、飲むと他が食べられず、焼肉を食べると蟹をほじって食べる暇が無く、蟹をほじっていると肉が焦げてしまう、食べるのに夢中だと飲み放題が無駄になるといた具合である。更に言うなら、そんな暴飲暴食のできる歳ではなくなっていたのを今回、深ーく深く思い知らされた。無論、本場北海道ということで、こすっからい名古屋の食べ放題飲み放題と違って量も質も申し分なかった点には救われたが、元が取れたかどうかは正直怪しい。タラバガニの巨大な脚が8本出た日には焦ったよ。あれは、腹が膨れる。
いやぁ参った参ったと店を出て、そのままホテルへ。お金はあったけど腹が膨れすぎてすすきのの夜に飛び込む元気もなく、今日はとりあえずこれでお開きとなった。腹が落ち着いた頃に温泉に入ったが、韓国人、中国人だらけで大声で浴室内で喚いてるので煩かった。風呂を出た後は、初めてマッサージというものをやってもらった。20分2100円のコースを指定した。看板ではキレイなお姉さんが写っていたので期待していたのだが、出てきたのはマッチョなゴツいお兄さん。力任せに腰を指圧されて痛かったが、肩は気持ちよくて気がついたら涎を垂らして寝てしまっていた。その後、自室にもどり明日の観光情報をネットで探しながら転寝をしてしまい、そのまま就寝。