先週、先々週と鉄道趣味のお出かけをしたので、今日は嫁の趣味に合わせようと思っていたが、数日前の新聞の折込に地下鉄鶴舞線開通30周年記念行事と称して日進市にある日進工場の一般開放と言う広告を見てしまい、こんな機会はなかなか無いと思ったので、是非坊たちを連れて行ってやりたいと嫁を説得してみた。嫁はあっさりOKしてくれたが、「ただしあんたら3人で行って来てね」。はい行って来ます。
私が朝寝坊してしまったので午前中から行くつもりが、早めのお昼を食べ次第というスケジュールになった。車で行こうと思ったが、駐車場が無いらしいので嫁に送ってもらおうと頼んだら拒絶された。で、仕方なしで公共交通機関を使うことにしたのだが、よく読むと土日エコきっぷ(一日乗車券)で抽選会をしているというのでそれを利用することに決定。嫁から交通費と飲み物代だけ貰い、いざ出発。坊たちは公共交通機関が大好きだ。ニコニコニコニコと満面の笑みを浮かべながら足取り軽く歩いている。こういうのが好きだから、喜ぶところに連れて行きたくなるんだよな。
バス地下鉄と乗り継いでいくと、どうもそれっぽい乗客が多いことに気付く。それっぽいというのは鉄道が好きそうなという意味。うまく表現できないが独特なあの雰囲気である。電車内での挙動というか、視線の先にあるものというか。目的の駅に着くと、なにやら怪しげな荷物を持った人たちが大勢改札から入ってくる。もう工場見学を終えた人だろうか?荷物の中身は、社内によく貼ってあるような路線地図だとか案内表示板だとかつり広告用のバーだったりえらくマニアックなものばかりだった。人の波を避けながら地上に出ると、なんと工場まで人の列が出来ているではないか。ひょっとして結構凄い人出の見学会なのか?こりゃ迷子対策が大変そうだ…。自分の予測の甘さに舌打ちしながら工場へ向かった。
道沿いや門の前に名古屋市交通局のロゴの入ったジャンパーを羽織った係の人が、立って案内している。お疲れ様です。

入ってみると確かにすごい人手だった(翌日の新聞で1万5千人の来場者があったとのこと!)。主には交通局の関係者といった感じの親子連れが多かったが、別の見方をすると首から肩からデジカメや一眼レフを下げた若い人たちが非常に多かった。濃い!濃いぞこの会場!私はどんな風に見えるのだろうかと思いながら早速点検車両の工場に入った。
離れのような感じに建てられた点検車両の工場というか車庫には、普段なかなか見ることの出来ない点検用の車両が所狭しと配置されていた。工場の方の説明によれば、地下鉄は雨が降らないので大変埃が積もりやすく、それを清掃する作業車が必要とのこと。ふむふむなるほどと見ていたが、坊たちはあまり興味が無かったようでさっさと次に進んでしまう。あわてて追いかけたら出口付近でこんなのを見つけた。レール上を走るユンボ。カッコええ。

大きな工場の中は大盛況。Nゲージコーナーでは運転が出来ると言うことで、ちびっ子たちが大勢並んでいた。他にも紙で電車の塗り絵をし、それをプラレールにつけて走らせるコーナーや、バスに好きな絵を描くコーナーなど、大勢人だかりや行列が出来ていた。Nゲージを取り巻くちびっ子たちはみんな同じに見えるから面白い。皆一様に首からデジカメを下げているのだ。そして電車目線。(・∀・)イイ!ね。工場の奥では地下鉄と綱引きをやるコーナーがあった。次男坊は嫌がったが、長男は挑戦。見ていると大人と子供30人程度であの重たそうな車両がスーっと動いた。何かの本で鉄道の摩擦係数の少なさの優れた点として少ない力で動かせる点が挙げられていたけど、実際に見ると本当に納得する。これが鉄道が鉄道たる所以なのだね。

もっといろいろ見てみようということで、Nゲージのところにいたがる次男坊を無理やり引っ張って更に工場の奥へ。整備車両がたくさん並んでいる。

その間から、「いらっしゃい!いらっしゃい!」の呼び声が盛んに聞こえてきた。

何事かと思ってみると、地下鉄職員が30周年記念グッズや忘れ物品、傘を叩き売りしていた。そしてドサクサに紛れて(?)JAあいちが野菜や果物を販売していた。30周年記念グッズは、鶴舞線チョロQにデジタルの目覚まし時計を合体させたようなものだった。坊たちに尋ねると2人して欲しいとのこと。さっき土日エコきっぷの抽選に外れてしまったので買ってやることにした。1個1,000円で折りたたみ式30cm物差付き。うーん高い。せめてアラーム音が地下鉄の音やアナウンスだったらと期待したが、そんなにいいものではなかった。一応、アラームが鳴ると窓が光るとのこと。
更に工場を突き抜けると一旦外へ。途中、車両吊り上げ実演があったが、機械故障により吊り上げ中止の張り紙。む、残念。他にも車両点検体験コーナーや、

運転SIMや車掌SIMのゲームもあったが、いずれも順番待ちが凄いので、飛ばして次の場所へ行った。
外に出ると、操車場が広がり、車両が何本も並んでいた。良く見ると桜通線も並んでる。時折、操車場すぐ隣の鉄橋を鶴舞線の地下鉄車両が走る。もう坊たち、居ても立ってもいられない。目を離した隙にピューっと走っていってしまった。



広い割りに行ける場所は少なそうだったのでそのまま放って置いた。少し歩くとまた売り子の声が。今度は地下鉄パーツやパーツで作った小物のバザーをやっていた。主には地下鉄車内にあった鏡や路線図、つり革の部品などだったが、中には台車で使われたボルトなどのようなそんなの買ってどうするのってのもあった。しかし、皆さん意外に買っていかれる。特に古い奴は価値が高いのか年配のご婦人まで買っていっていた。私は第三充電器(だったかな)の側につけている木製のバーを加工した耳かきを買った。300円。先端がマドラーのようになっていてよくほじれそうだった。これは暇さえあれば耳をほじっている嫁へのお土産にした。
坊たちに追いついてみると、作業車に乗るイベントや、ポイント切り替えを体験するイベントやらいろいろあったが、どれもこれも混雑していた。空いてる所として車両撮影会なんてのがあって、操車場内に入って並んで置いてある車両を自由に撮影していた。無論、私たちも撮りまくった。大人から子供まで首から下げた自慢のカメラで撮影していた。天気も良く、実に微笑ましい光景であった。

イベント終了まであと1時間あまりとなったとき、比較的洗車体験ブースが空いていたので行って見た。実際に車両に乗って、洗車機を通過すると言うものだ。本日最終の回だったので時間延期して客待ちしてからの出発となった。乗り込むと早速、坊たちは先頭車両へダッシュ。見ると、先頭車両にはちびっ子たちが殺到。運転室に入らないように係りの人が子供たちを注意していた。先頭に居るのは我が次男坊だった。後に本人曰く、みんなが運転室に入らないように壁になっていたとのこと。ほっほー。物は言いようだな。長男坊も後ろでカメラを構えその更に後ろには高校生以上の鉄っちゃんがカメラを構えていた。ちょっと異様な光景だが、こういうところでは普通かな。私はそんな様を撮っていた。イベントが始まり地下鉄が動き出すと、トンネルに入り、ちょうどヤマダ電機の下あたりまで(ローカルネタ)入ってからスイッチバックし、洗車機のレーンに進んでいった。洗車機自体は短いが、自動車の洗車機よりは激しい水流と回転ブラシでゴウンゴウンと洗っていた。なかなか楽しい。洗車機を往復し、またトンネル内でスイッチバックしてからもといた場所へ。その間ちび子達は先頭車両から動かずw次男坊は、トンネル内でのポイント切り替えが多かったのが気になったらしくしきりにそのことを言っていた。
洗車体験を終えると、ちょうど閉館の時間。お別れの曲みたいなのが場内に流れ、帰りを促していた。各ブースも片づけを始め、電車部品を売っている人たちも最後の追い込みに熱が入る。私らは工場内のまだ見ていなかったところを通って門へ。途中、Nゲージの片付け作業がどうしても気になって次男坊がへばりついていたが、無理やり手を引き連れ帰った。おかげで帰り道は地下鉄に乗るまでブスくれていた。
帰り、今日は楽しかったかと聞いてみたら、長男坊「うん、まぁまぁかな」次男坊「(Nゲージ片付け見学中に無理やり連れ出されたのを根に持ってか)あんまり面白くなかった!」とつれない返事。でも一緒に風呂に入る頃には2人とも楽しかったと言ってくれた。次男坊など次は40周年に行くぞと大張きり。その頃には自分で行けるだろうな。

おまけ。こんなところにも鉄道部品を使っていた。