研修会で一泊してその帰り。本社へは一応昼までに帰ればいいことになっているので朝をゆっくりと過ごそうかと思ったのだが、せっかく熱海まで来たのだから何か名物でも見ておこうと思い立ち、朝食後に早めにチェックアウトした。余談だがこのホテルの朝食はバイキングであったが、どうもバイキングだと全ての料理に手をつけないときが済まない自分の貧乏症が哀しくなる。おかげで朝からおなかははちきれんばかりにパンパンとなった。
熱海駅の観光地図を見ていると、サンビーチのところに「お宮の松」があると表示されていたのでそれを見に行くことにした。熱海駅から急坂を降りていくこと30分ほど。途中見えたテトラポッドの海岸は、海水の透明度が高く、魚影がたくさん見えた。海はきれいだし、磯の香りがまたいい。こういうところにくると身体の芯から安らぐし、力が湧いてくる。目的地のお宮の松は拍子抜けするようなものだった。一応金剛夜叉の一場面の像があって、何やら朗読のテープまで流されていた。朝早くからご苦労なのである。これは像がつまらないのではなく、周囲の景色とのバランスの問題なのではないかと思った。海水浴場にこれは似合わない。白砂青松の海岸にぽつりと建っているのが望ましいのではあるまいか。
時計を見て慌てて戻る。戻りの急坂はかなりきつかった。熱海駅に着いたころには、風は冷たいというのに汗だくであった。改札を入ったところで、まだ時間があったので、坊たちのために電車の写真を撮ることにした。最初のホームをあがると伊豆急が停まっていたのでパシャパシャ。しかしそこで、アナウンスが入り寝台特急はやぶさが入ってきた。これは撮らねばと振り返るが、東海道線に阻まれて見えない。それではとホームに移動したが、その間に出発されてしまった。残念。時間もきたので新幹線の改札を通り、こだまに乗って帰った。